<東部>10月17日越谷市中央市民会館、
<北部>11月6日熊谷市勤労会館にて、コロナウイルス感染症対策として参加人数を絞り「地域セミナー」を開催した。
両会場とも同じプログラム①ネット21運動の目的とこれまでの活動②NPOが労働組合に求めるもの③NPOと労働組合の協働事例報告④地域のNPOの活動紹介⑤“新型コロナウイルス”禍における地域の新しいつながりを考えるワークショップを行った。
【子ども食堂を応援する東電労組】
越谷会場では県東部の労働組合とNPOのメンバーが29人、スタッフも合わせると37人となり、40人までとされた定員枠に無事収まった。
東部地域のNPOと労働組合の協働事例は「かすかべ子ども食堂ひなた」(猪狩永青さんと佐藤恵さん)と「東電労組埼玉支部春日部分会」(斉藤昭博さん)の発表となった。
2人のシングルマザーが始めた「子ども食堂ひなた」は12月で6年目になった。貧困はみえにくい、そして連鎖すること、現在は新型コロナのために子ども食堂は開いていないが、食糧の配布をしつつ再開を準備していることなどが猪狩代表と佐藤恵副代表から発表された。
東電労組の齋藤さんからは「たまたま『近くだから食糧を届けて』とフードバンク埼玉に頼まれ、子ども食堂ひなたを訪問したのがきっかけ。偶然だったがその後も物資を届けたりして結果的につながっていった」という。
ワークショップでは、新型コロナ禍における困りごとや変化したことが話し合われた。労組側からは「単組で一度、地域のNPOを確認したい」という感想があった。
【荒川河川敷の清掃活動を一緒に】
熊谷会場では県北部の労働組合とNPOのメンバー24人スタッフを合わせると31人(NPOが12人、組合から12人)参加した。
北部の協働事例は、「NPO法人熊谷の環境を考える連絡協議会(略称くまかんれん)」(栗原堯代表)と「熊谷・深谷・寄居地域協議会」(新井晃一事務局長・秩父鉄道労組執行委員長)が発表された。 1997年から「くまかんれん」が開催してきた「荒川の恵みと熊谷を考える集い」に「熊谷・大里郡市地域協議会(当時)」が参加して、荒川の清掃活動を行ったことが始まりだった。当時の記録が残っておらず何年前から参加していたのかはっきりしない。「熊谷・深谷・寄居地域協議会」となってからも、「列島クリーキャンペーン」の一環として毎年、平均すると約300人が参加して取り組んでいる。
「くまかんれん」としては、河川へのゴミの投棄やポイ捨て防止などを訴える1,000人規模のキャンペーンであるので、市民団体の参加と共に、労組の参加は歓迎すべきことである。また労組から見ると、組合員の社会貢献活動として、短時間で活動の成果が見られるこの集いへの参加は、組合員にも歓迎されている。集めたゴミは自らが処分しなくても「くまかんれん」が処分してくれることもあり、助かっているという。
ワークショップでは越谷会場と同じテーマで話し合いが行われた。様々な問題が起きているが、新型コロナ禍であっても、ITの活用で、新たなコミュニケーションのやり方に気づいた、習熟したなど良い面も指摘されていた。
NPO側では初めて参加した団体が多く、「様々な団体と情報交換できてよかった。対面での良さを実感した」という感想があった。組合側からは「ワークショップの中でもっとNPOの方の話を聞きたかった」「NPOの活動は未知に近い。少しだけ知ることができた」という声があった。
地域セミナーは東西南北で開催され、今回で二巡した。次年度は新たな企画の中で、NPOと労働組合の出会いと交流、そして協働を実現していきたい。
(さいたまNPOセンター村田:記)